ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

強盗事件と防犯体制。そして「闇バイト」

 東京銀座の高級腕時計店でおこった強盗事件の首謀者4人が、強盗と建造物侵入容疑で再逮捕されたというニュースが配信されていた。

 この中で、この4人が通信に使っていたのが秘匿性の高い通信アプリ「シグナル」。このシグナルは「テレグラム」と同様、メッセージを自動消去できる機能があるとのこと。

 

 この事件の内容は、8日午後6時20分ごろ、白い覆面をかぶって銀座の時計店に侵入後、店員に刃物を示し、「殺すぞ」などと脅してバールのようなものでガラスケースを割り、高級腕時計約70点(3億円相当)を奪ったというもの。

 

 つい最近、知人がマレーシアに行った。世界的に有名なペナン島がある国。シンガポールの北に位置すると言った方が分かりやすい。この国、暑く農業中心の国というイメージがあるが、国民総所得(GNI)は10,570米ドルで、世界銀行による高所得国の基準である12,476ドルにはわずかに及ばないものの、現在では、高・中所得国に位置づけられている国である。アジアの熱帯地域の中では高い方であり、東ヨーロッパのロシア(同11,400ドル)やルーマニア(同9,500ドル)、クロアチア(同12,690ドル)などと同水準とある。

 マレーシアの説明が長くなってしまったが、この知人が高級時計店を訪れ、そこにあった腕時計の写メを送ってくれた。5つの時計が写っていたが、その値段「全て億超え!!」とあった。そんな「超」がつく高級腕時計をどうして一般客が身近に見ることができるのかと聞いたところ、なんと銃を携帯している警備員がいたとのこと。

 

 ちょうど冒頭書いた銀座の事件の直後だったので、日本とマレーシアの警備体制の違いを感じさせられた。日本の治安の良さを感じはするものの、バールという「工具」で襲い、数億円の品を強奪することができるというこの国の一般的な店舗での警備・防犯体制。人口減少の問題を外国人移住者で解決していこうとする政策もあるように聞く。「井の中の蛙」状態のようにも感じ、レベルの高い警備・防犯の整備が必要な気もする。

 

 このブログでも度々取り上げている、「中田敦彦YouTube大学」で、『強盗事件と闇バイト』というタイトルで、これの実態を深く掘り下げた解説動画を2回にわたり配信されている。闇バイトの実態、背景、根本的な問題等々。先に書いた通信アプリのことにも触れている。巧妙でかつ緻密な計画であることにも驚くばかりであった。

 

 防犯意識を高めていくためにもこの動画必見である。

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福岡マンション売買市況、絶好調なり!!

 最近、所有マンション売却の案内が非常に多くなってきていることを感じている。先日も複数の不動産仲介業者から案内が届いていた。最近は購入希望者の具体的な金額を明示してある場合が多い。その額は4桁に届いている。もちろんそこにある金額をそのまま鵜呑みにするつもりはないが、それにしても以前はなかった大きな金額が提示されている。

 今回送られてきた案内の中に興味深いテータが載っていた。

 タイトルに、「福岡で不動産売却・お住み替えをご検討中なら、売り時は今です。」とある。

 そしてそれを裏付ける数字が並んでいる。

 【福岡県中古戸建推移】

 2015年 成約戸数1714件  成約金額1702万円

 2016年 成約戸数1747件↗︎ 成約金額1813万円↗︎

 2017年 成約戸数1726件↘︎ 成約金額1820万円↗︎

 2018年 成約戸数1853件↗︎ 成約金額1854万円↗︎

 2019年 成約戸数1874件↗︎ 成約金額1829万円↘︎

 2020年 成約戸数2006件↗︎ 成約金額1894万円↗︎

 2021年 成約戸数2041件↗︎ 成約金額1953万円↗︎

 【福岡県中古マンション推移】

 2015年 成約戸数3520件  成約金額1454万円

 2016年 成約戸数3566件↗︎ 成約金額1579万円↗︎

 2017年 成約戸数3684件↗︎ 成約金額1670万円↗︎

 2018年 成約戸数3923件↗︎ 成約金額1776万円↗︎

 2019年 成約戸数4203件↗︎ 成約金額1809万円↗︎

 2020年 成約戸数3877件↘︎ 成約金額1841万円↗︎

 2021年 成約戸数4006件↗︎ 成約金額1987万円↗︎

 資料説明文には、「福岡県では現在、中古不動産の動きが活発になっている」「2020年を境に成約金額が大幅に上昇している」「要因としては、新築に拘らない意識やコロナ禍における住環境へのニーズの変化が影響」という言葉が並んでいる。

 

 他の業者からのDMにも、『福岡、過去高値更新中のため高値売却確保・可能!!』とある。

 

 以前なら、投資マンションのリスクとして、「古くなれば価値が下がる」という言葉をよく聞かされた。しかし、今は、時代や経済状況、求めるニーズが異なれば価値観も変化していくことを感じる。ロレックスやルイ・ヴィトンは品薄で、中古品も新品を上回るような額で売買されていると聞く。

 新品についた価格は、様々なコストが計上された金額である。マンションであれば、広告宣伝費・営業マンの人件費等々、その総額は売り出し価格の3割とも4割ともいわれる。

 

 今、中古品や中古物件への注目が高まっていることに納得することができる。

 だからこそ、「いいものを見分ける眼力」が大切になる。しかし専門家でもなく、そのことだけに関わり続けているわけでもない。個人にそこまで求めるのも無理がる。

 であれば、信頼のおけるパートナー・専門家との関係づくりが重要だと、自分の体験を踏まえてそう感じる。投資マンションでいえば、“物件選びの前に担当者選びが重要”と、拙書『投資マンションが気になったら読む本』の中に書いた。

 

 投資において、感覚的な思い込みは判断の誤りにつながることも多いように思う。信頼のおけるパートーナーを見つけ出し、ウィンウィンの関係性が築ければ、将来の資産形成にとって心強い味方になる。

 

 自分の未来を切り開く、そのための最初の1歩の踏み出しが大きな意味を持つ。

持ち家定期メンテナンスの時期に来ていろんなことを考えた!!

 現在住んでいる家は、建ててから20年を超えた。名前のよく知られたハウスメーカーのもの。計画の段階から営業所が力を入れて進めてくれた。長期間、広告(内覧会)として活用してよいという条件で大きな値引きをしてもらい、また屋内のサッシなどもグレードの高いもの割安でつけてくれもした。だいぶ背伸びをした契約内容だったが、仕上がり感は大満足だった。地元の工務店という選択肢もあったが、やはり設計力や建物のクオリティはハウスメーカーとの差を感じた。そして契約後、建築が進むにつれて感じたのは「メーカー力」だった。責任の所在が明確であり、保証力も痛感した。完成後のメーカー10年保証には大きな安心感があった。

 

 建物は全て経年劣化していく。マンションであれば修繕積立を行い、劣化や故障への対応を行なっていく。ファミリー型であれ、投資型であれ、この修繕積立金の多少は資産価値にも直結する。管理会社が綿密な計画を立て、計画的な管理をしていくことになる。

 

 さて、この視点で「持ち家」の劣化や故障への対応について考えてみたい。

 

 家に限らず新しいものを購入した時、壊れた時のことを考え、最初から予めの資金的な準備を開始するということは、殆どの場合ないのではないだろうか。新品であれば、期限付きだがメーカー保証もあり、家電などでも早々故障することは滅多にない。「家」もまた然りである。精密機械ではないので、家そのものが故障することはない。設備は個別に保証があるので別になる。

 つまり「家」については、経年劣化に対しての備えになる。具体的には、先ずは雨漏り対策である。躯体に取り付けた窓やベランダ、そして直接風雨に曝される屋根部のメンテナンスは大変重要である。劣化部分の部品交換や再コーキング、また色あせや劣化の激しいところがあれば塗料の塗り直し等がその内容になる。

 

 多くの場合、「家」を立てるというのは一生に一回の出来事だと思う。つまり殆どのことが初体験になる。多額のローンを組み、契約締結後から返済が始まる。限られた収入からやりくりをしながら長期間にわたって返済していく。このような状況の中で、劣化や故障への対応のための備えまではなかなか気が回る余裕もないのが普通だと思う。

 

 そして忘れた頃に補修や修繕が生じる。多くの場合、事が発生したら結構な費用がかかる。家計における、一般会計ではなく特別会計での対応になるのではないだろうか。更には、拙書「投資マンションが気になったら読む本」の中でも書いたが、建物の高さが高くなればなるほど修繕コストは高くなる。つまり足場代が高さに比例して高くなるのである。このことは「持ち家」にも当てはまる。つまり平家より2階建てが、更には3階建ての方が一般的にはコストは高くつく。

 

 10年目のメンテナンスは、返済期間中だったこともあり、余裕など殆どない中でやり繰りしつつ費用を捻出し対応したことを思い出す。

 今回迎えた20年目点検の目的は、10年目メンテナンスでリセットせれたものの、その後の10年間で進んだ劣化部分の発見とそれの修繕・補修である。メーカー担当者がきて念入りに建物の状況を調べてくれる。建物の価値を下げないためにもしっかり点検してくれるのはありがたいことではある。しかし、不良箇所を見つけ出してくれればくれるほど、当然修繕費用は増してくることになる。

 後日、見積書が送られてきた。そこには10年点検の約3倍の金額が記載されていた。今回、改めてこの「修繕に向けての積立」の大切さを実感させられた。

 

 マイホームを持つ年齢が50歳前後だった時、10年点検が定年の前後になる。そして20年点検は多くの場合、定年後になる。

 

 生きていく中で生じるコストについて考えさせられる。

 

 生涯を見通した収支計画書、すなわちライフブランの必要性を今になって思う。入ってくるお金と、出ていくことが予想されるお金を、思いつく限り書き込んでいく。先を見通す「先見性」が必要になってくる。そのためには様々なアンテナも必要になってくるのだと思う。漠然と生きていては細かなものは描けない。

 

 政府は、高校生に「投資」についての学びを教育課程に盛り込んだ。なぜ「投資」を今学ぶのか、学ばなければならないのか。教育は、ここを正しく伝えなければならない。

 

 増えない収入と低賃金の中で、この国で生きていくためのコストは止まることを知らない。そして、増え続ける税金と物価高。負担ばかりが増しているようにしか思えない。

 

 政治は、この国をどこに導いていこうとしているのだろうか。

 そして20年後、50年後にこの国に住む人々の暮らしはどうなっているのだろうか。

 減り続ける人口は、社会の有り様を大きく変えていくことになるのだろう‥‥。  

 

 

20年点検の費用が思いの外高かったことから、またも思いが広がってしまった(汗)

 

 

サンクチュアリ -聖域-

   今朝は、昨夜のお酒が抜けきっておらず、身体に気怠さが残っていた。

 遅い起床となり、既にテレビではエンジェルスの試合が8回まで進んでいた。テレビをつけた瞬間に2ランホームランが飛び出し、6対2で大量リード。エンジェルスの勝利を確信したものの何とその裏に6点を奪われ、信じられない逆転負け!!

 最悪の1日の始まりに転落してしまった(涙)

 

 気を取り直すものの、テンションも上がらず、特に予定もないのでNetflixで映画でも見ようとリモコンを合わせる。『人気急上昇』の映画&ドラマに面白げなものが出てきた。

 『サンクチュアリ-聖域-』というドラマ。

 番組概略には、「体は屈強だが、投げやりな性格の青年が相撲部屋に入門。力士になった彼はとがった振る舞いでファンを魅了しながら、伝統と格式を重んじる角界を揺るがしていく。」とある。2023年5月4日から全世界で配信されているとのこと。

 全8話。一気に見た。韓流映画のドロドロさはない。主演一ノ瀬ワタルの熱演に引き込まれていく。主役の脇を固めるキャスト達もいい味を出している。

 

 とにかくこのドラマ、痛快である。借金・暴力・家庭崩壊…と、いろいろな苦難に追い込まれていた主人公の小瀬清が、「相撲は金になる」というスカウトの言葉に惹かれ、若手力士「猿桜」として大相撲界に挑んでいくという内容。

 

 ちょうど今日から大相撲5月場所が開幕。絶妙のタイミングとなった!!

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平均寿命第1位川崎市麻生区、そして川崎市が抱える南北問題。

   厚生労働省が公表した「2020年市区町村別生命表」がwebニュースで発表されていた。   

 これによると長寿トップは、『男女とも川崎市麻生区 男性84・0歳・女性平均89.2歳』とある。正直驚いてしまった。長寿国日本ではあるが、自治体の平均寿命が、女性のみではあるがなんと89.2歳なのである。

 長寿の順に並べてみると、(※小数点第2位を四捨五入しており、年齢が同じでも同じ順位ではない)

(女性)

 1位 川崎市麻生区 89.2歳

 2位 熊本県益城町 89・0歳

 3位 長野県高森町 89・0歳、

 4位 滋賀県草津市 89・0歳

 5位 兵庫県芦屋市 88・9歳

(男性)

 1位 川崎市麻生区 84・0歳

 2位 横浜市青葉区 83・9歳

 3位 長野県宮田村 83・4歳

 4位 愛知県日進市 83・4歳

 5位 京都府木津川市 83・3歳

 

 人生100年時代を実感する。

 

 さて、実は、この川崎市麻生区は、今年の年明けに10日ほどの東京滞在の際拠点となった街である。新宿発で始まる小田急線の「新百合ヶ丘駅」を利用した。この駅の次に特急が止まるのは町田駅。つまり川崎市麻生区は、海沿いからは随分奥にあることになる。かつ町田市の近くに位置するという不思議さ。更には、川崎市に抱く「工業地帯」という印象。治安も良くないというイメージがある。しかし「長寿」でもこうして名前が出てくる。

 

 俄然、『川崎市』に興味が出てきた。

 まず地形である。地図を見て驚いた。東京都と横浜市に挟まれた場所に、区を1つずつ横に並べていったような感じで市はある。南北(東西?)に細長い市である。一般的には、『川崎区=川崎市』のイメージではないだろうか。

 

 川崎市についていろいろ調べていく内に、「(川崎市の)南北問題」という言葉を知った。右端にある川崎区と左端にある麻生区では、様々な違いがあるようである。「平均寿命」「所得」「教育」「治安」等。

 所得面で見ると、2022年の川崎市生活保護率は1.89%(全国平均※2021年1.63%)。多摩、麻生、宮前、中原、高津の北部5区が平均1.34%なのに対し、川崎区は3倍の4.1%。

 平均世帯年収は、麻生区が633万円なのに対して、川崎区は517万円。世帯年収1000万円以上の富裕層の割合は麻生区15.2%、川崎区7.0%。全国平均の年収1000万円以上の世帯割合は全国平均12.7%となっている。同じ自治体にありながら大きな格差が生じており、川崎市はこのことについて様々な対策を打ってきたようである。

 取り組みの結果、治安については大きく改善されていっているようである。以前は川崎区の犯罪発生率は高かったものの、現在では麻生区とあまり変わらないほどになっている。

 

 『格差ではなく「多様性」、変貌を遂げる川崎区』とのタイトルの配信記事を見つけた。

 “川崎区は大きな変貌を遂げつつある”、の書き出しで始まる。

 『川崎市とりわけ川崎区のイメージとして根強い、ギャンブル、風俗、工場を、南北の「多様性」と捉えなおして変革に取り組む活動が盛ん。風俗街のピンクなイメージはセクシーに、競馬場のギャンブル臭さは明るいエンタメに、工場のイメージは工場夜景で美しく、外国人居住者の多さは多文化共生の拠点に……といった具合。』

 

 「川崎市 南北問題」で検索すると様々な配信記事を見つけることができる。

 この中に、東洋経済onlineが配信している『この国の未来は「川崎市」に凝縮されている』のタイトルの記事がある。

toyokeizai.net

 90歳近くの平均寿命の自治体の存在に驚いた記事の書き出しから、全く異なる文章展開になってしまった。知らないことがあまりにも多いことを改めて痛感する。

 

 日本は広く、そして長く複雑な歴史を持ち、たくさんの人が生きている国である。風土、文化、歴史。それらが重なり合いながら、今に至っている。

 今、社会はさまざまな進歩に伴い、イノベーションという言葉に表されるように、大きく変容している。

 

 日本人でありながら、日本のことをあまりにも知らなすぎることを思う。知ることには限りがあると思うが、とにかく見て回りたいという思いが、今、強烈に強くなっている。

  

 

凶悪犯罪報道から考えたこと。

 ここ数日、全国各地で凶悪犯罪が起こっている。強盗殺人未遂などのニュースが連日報道されている。

 今から20数年前だろうか、ある雑誌に、将来日本で発生する犯罪がアメリカ型になっていくという記事があったことを記憶している。そこには「この30年の内に」という言葉があった。

 本当にそうなっていくのだろうかという思いだったことを思い出す。当時は、いわゆる凶悪的なものはあまりなかったように思う。

 

 昨夜聞いたYouTube番組「辛坊治郎ズームそこまでいうかしゃべり残し」で、辛抱氏が興味深いことを言っていた。

『過去20年の間に、日本の刑法犯の認知件数はすごい勢いで減ってきていた。』

『2年前が底』

『昨年は増えた。今年件数が増えていくとすれば、今後更に増えていく方向に転換していくような気がする。』

 氏がこのことを話した理由は、「最近治安が悪くなったよなぁ」という言葉を耳にする機会が増えたからだという。いわゆる体感治安というもの。そこで統計資料をもとに話したのが、前述の言葉である。

 

 前述の雑誌の記事のこともあり、この『凶悪犯罪』について少し調べてみた。

 まず、『刑法犯』とは、刑法等に定められている殺人・強盗・放火・強姦(強制性性交等)・暴行・傷害・窃盗・詐欺などの犯罪のこと。そして『認知』とは、被害届などにより、警察が、犯罪が発生したことを知ったことを意味する。

 刑法犯の認知件数は、昭和期は120万件から150万件で、平成元年には160万件台だったが、急増し、平成14年に280万件を超えた。その後減少に転じ、平成30年には約82万件と、平成元年の半分、ピーク時から7割以上減っている。

 家屋侵入窃盗は、平成元年の23万件から、平成30年には6万件余りにまで減少している。殺人、強盗などの凶悪犯は、昭和期には1万5千件から1万件、平成の初めは約6千件。平成前半に急増した後で減少に転じ、昨年は4900件。いずれの犯罪も数の上では大きく数値を下げている。

 

 「安全神話」という言葉で形容される日本の治安。しかし、今、犯罪件数が減ってきたにも関わらず、人々が感覚的・主観的に感じている治安の情勢は悪化している。

 

 このことついては京都産業大学法学部教授の田村正博氏(社会安全政策・警察行政法)がwebに解説記事を載せている。これによればその理由は2つあるという。

 一つは、『人は誰もが悪いことに敏感に反応するからであり、悪いニュースは広まりやすいのに対して、良いことはほとんどニュースに取り上げられない。また、多くの面で改善していても、悪い事態が一部であれば、専門家も、責任ある行政機関も、「一部で悪化している」ことを指摘して注意喚起をするのが通例。「受け手は、ニュースに流されるのではなく、客観的な事実をきちんと知ろうとすることが大事」』という。

 もう一つは、『被害が少ない社会になったからこそ、一つ一つの被害が深刻な影響をもたらし、社会的にもより注目されるようになってきたことによるもの。交通事故を含む不慮の事故で亡くなった30歳未満の方は、平成元年には7,593人だったが、平成28年には1,262人と大幅に減った。人生には様々なことがあり運が悪ければ途中で命を落とすこともあるという社会から、人は不当な侵害を受けることなく、高齢になるまで死なないのが当たり前の社会になったことが、「あり得ないはずの事態」をもたらす犯罪に厳しい目が向けられ、社会的な反応を大きくしているといえる。』と、述べている。

 

 ネガティブ思考になってしまう背景には、マスコミのセンセーショナルな報道のあり方もあるように思う。連日、繰返し報道する。確かに個々を見ると衝撃的な事件である。『息子や孫を装うオレオレ詐欺などの「特殊詐欺」』『無差別殺人』『強盗殺人と闇バイト』『首相銃撃』『DVや児童虐待による殺人』。

 今日も一昨日銀座で起こった『時計店襲撃事件』の経過を伝えている。

 

 特別な事件であっても、身近で起こり得る事件のように感じてしまう。

 「注意喚起」も度を越せば「心理的委縮」にもつながるように感じる。

 難しいところであるが、田村教授も言っているように「流されるのではなく、客観的な事実をきちんと知ろうとすること」が大切だと思う。

 個々が現状を正しく知り、正しい防犯知識を持つことで自己の安全性を高めていかなければならないように思う。

 

 

失われた30年に悲観するな!! カリフォルニア大学教授のウリケ・シューデ氏が語る日本のよさに元気をもらう!!!

 最近は殆どTVを見なくなった。以前は、家に戻れば何はともあれ先ずはTVをつけるという感じだったように思う。大きな画面で見るのは、テレビ番組ではなく多くはYouTubeの動画である。リモコンで切り替えればYouTubeはもちろんのことNetflixAmazonプライムも簡単に視聴できる。便利な世の中になったものだとつくづく思う。

 

 さて、今朝もYouTubeにつなぐ。目を引くタイトルのおすすめ動画が飛び込んできた。

 『アメリカの名門大 経営学者が語る「タイトな文化」と日本/失われた30年に悲観するな/それぞれの国の選択を尊重』のタイトル。朝の限られた時間では全てを見ることができず、最初の方だけ見てみたがぐいぐい引きつけられていく。途中だったが、一旦視聴を中断し、残りはジムで有酸素トレーニング中に視聴した。

 

 ビジネス映像メディア「PIVOT」からの配信。司会者とインタビュー形式で番組は進んでいく。ゲストはカリフォルニア大学教授のウリケ・シューデ氏。番組冒頭のゲスト紹介では「日本通の経営学者」とあり、一橋大・日本銀行経産省などで研究員や客員教授等を歴任したという。そして9年以上の日本滞在経験もある人物とのことだった。氏が書いた『再興 THE KAISHA』も併せて紹介されていた。

 

 司会者が、「日本人が過去数十年の「日本」を語る時、ネガテイブな側面が強調されてしまいがちだが、このことについてどう思うか」と問うことから始まる。氏は『トレードオフの問題』と返答する。トレードオフとは、一方を尊重すればもう一方が成り立たない状態のことを言う。

 ここで、先ず取り上げられたのは『スピード感』。日本はシリコンバレーのようなスピード感がないと言われるが、それは日本人がそのような過激な変化を好まないからと言う。『身終身雇用』を例にとり、そのシステムが段階的に廃止されるという事実を、人々が徐々に理解していったことにも現れているという。そして、変化に時間がかかっているからといって、日本が停滞しているわけではなく、ひじょうに意図的で順序立てたプロセスで、ゆっくりと秩序を保った改革の結果、日本は安定した社会として停滞を乗り切ったという。結果の例として、「大都市は快適で清潔な上に安全。自分が知る限り大きな政治的動乱もない。日本は、全てがとても快適に進んできており、ひじょうに凄いこと。」という。更に、「30年も停滞したというが、日本に来るたびに驚く」と言葉を重ねる。

 

 氏はアメリカについても日本との比較としていう。「アメリカが選んだのはスピード。食うか食われるかの熾烈な競争。破壊や改良にしても成功しなければ失敗。誰かの失敗は別の人のチャンスになり、誰かの退却も別の人のチャンスになる。しかし日本は全てがもっと穏やか。極端な成功も失敗もない。良い点としては、アメリカほど打ちのめされることもズタボロになることもない。どちらが良いとは言えない。どちらを選ぶかということ。」という。

 日本人は、明らかにゆっくり進む方を選んだ。

 

 氏は、著書『再興 THE KAISHA』の中で、「30年も悪いニュースだらけの日本が、なぜ消滅していないのか。なぜ日本経済は世界20位に転落していないのか。日本は、まだ大国として成功している。」と書いたと言う。

 「何かがうまくいっているからであり、日本は大震災やリーマンショックを経験したにもかかわらず、これらを乗り越えここに至っている。これらを乗り越え成功している日本企業の素晴らしさを思う」と語っている。

 

 『自虐史観』という言葉がある。自国を過度に悪とみなす歴史観のことをいう。ウリケ・シューデ氏の話を視聴しながら、この言葉を思い出している自分がいた。

 あら探し的な見方や考え方からは、成功は導き出せないだろう。 

 この番組で氏は様々な日本のシステムや文化についてその素晴らしさを語ってくれている。

 

 見終えて、素直に『日本、いいじゃん!!』と感じた。

 同時に、日本という狭い枠の中に止(とど)まっていてはいかんなぁとも思った。外国に飛び出し、比較できる価値観を自らが身につけることの重要性を強く思った。

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