ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

「新聞離れ」1年で200万部減

  元日の日に配信されたwebニュースの中で、目を引きつけられたタイトルがこれ。

『1年で200万部減「新聞離れ」は止まらず 「一般紙」は15年後に消える勢い』とある。

記事では、

・一般紙の総発行部数が3000万部を大きく割り込み、2800万部台まで落ち込んだことが明らかになる。

・この5年間で失われた部数は1000万部。平均すると、毎年200万部ずつ減っている計算。

・もし今後もこのペースが続けば、15年後に紙の新聞は日本から消えてしまう。

と、今後の予測も含めて展開している。

 

 10年前の2012年は約4372万部だったが、年々減少が続き、当時の3分の2以下の規模まで落ち込んでいるという。この現状に関係者は、「想像通りの結果で、数年前から分かっていたこと」「紙の新聞を読んでいるのは主に高齢者。新聞の衰退は止まらないだろう」とコメントを寄せている。その一方で、「新聞を読むことが習慣化している人が一定数いるので、ゼロにはならないだろうが、一般紙全体で100〜500万部ぐらいまで減っているのではないか」とも。

 

直近の5年間の部数減少数は、

2017年→18年 194万部減

2018年→19年 195万部減

2019年→20年 242万部減

2020年→21年 180万部減

2021年→22年 196万部減

とある。

 

 このような現状の中で、今後の新聞社の運命は、真のデジタルシフトができるかどうかにかかっているという。しかし、組織改革やデジタル人材の採用・育成が全く追いついていないと記事は伝えている。「今後の新聞社は、デジタルに対応したニュース屋としてなんとか生き延びるか、いろいろな事業を多角的に展開する企業に生まれ変わるか、あるいは、倒産するか、どこかに買収されるか。この4つに分かれるのではないか」と推測する関係者の発言が興味深い。

 

 このwebニュースを読みつつ、以前読んだ本を思い出した。

 鮫島浩著『朝日新聞政治部』。

 帯には、「崩壊する大新聞の中枢」「すべて実名で綴る内部告発ノンフィクション」とある。

 以下は、ネットの書籍紹介からの引用。

『地方支局から本社政治部に異動した日、政治部長が言った言葉は「権力と付き合え」だった。経世会宏池会と清和会の自民党内覇権争い、政権交代などを通して永田町と政治家の裏側を目の当たりにする。東日本大震災原発事故で、「新聞報道の限界」をつくづく思い知らされた。2014年、朝日新聞を次々と大トラブルが襲う。「慰安婦報道取り消し」が炎上し、福島原発事故の吉田調書を入手・公開したスクープが大バッシングを浴びる。そして「池上コラム掲載拒否」騒動が勃発。ネット世論に加え、時の安倍政権も「朝日新聞バッシング」に加担し、とどめを刺された。
 著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」にまっさかさまに転落する。保身に走った上司や経営陣は、次々に手のひらを返し、著者を責め立てた。そしてすべての責任を押し付けた。社長の「隠蔽」会見のあと、待っていたのは「現場の記者の処分」。このときに「朝日新聞は死んだ」と、著者は書く。戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治部。その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。』

 

 リアルで生々しい内容だった。一気に読み終えたことを思い出す。

 新聞の果たしてきた役割と功罪。いろいろなことを考えさせられた1冊である。