ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

岡山県奈義町の子育て支援

 ここ最近、岸田首相の「異次元の少子化対策」発言を受け、様々なメディアが少子化対策についての話題を取り上げている。

 昨日のお昼の情報ワイド番組で、岡山県奈義町子育て支援施策を紹介していた。

 驚き、感動するとともに、ここまでできるのだという可能性を見た思いだった。

 岡山県奈義町岡山県東北部に位置する周りを山に囲まれた人口6100人余りの小さな自治体である。

 この奈義町合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)は以下のとおりである。

2014年 2.81

2016年 1.85

2017年 2.39

 

全国平均は、1.44。ちなみに奈義町も2005年時点では1.41である。

 

 この奈義町も多くの小さな自治体がそうであるように人口減少に悩む自治体だったという。2040年には半数の自治体が消滅するという日本創世会議の発表で「消滅可能性」896自治体に含まれていた。2060年には奈義町の人口は現在の半分になると推計されたが、奈義町はこのピンチをチャンスととらえ種々の取り組みを開始したという。

 

 現在の奈義町独自の子育て支援施策を並べてみた

在宅育児支援手当

 満7カ月児から満4歳(満4歳になった後の最初の3月31日までの)児童で保育園等に入園していない児童を養育している方に、児童一人につき月額15,000円を支給。

高等学校等就学支援

 生徒1人に年額135,000円を3年を限度として支給。医療費を高校生まで無料化。18歳まで、医療機関等での自己負担分を奈義町が負担。

出産祝い金交付

 子の誕生に際して、一律10万円を交付。

ワクチン接種

 予防接種法に定められたBCG(結核)、DPT-IPV(4混:百日咳・ジフテリア破傷風・ポリオ)、DT(2混:ジフテリア破傷風)、MR(麻しん・風しん)、小児肺炎球菌、ヒブ、子宮頸がん、水痘、ロタ、B型肝炎を無料で接種。他にも、おたふくかぜワクチン(法定外予防接種)も全額助成。

不妊治療助成

 奈義町に1年以上住所を有した戸籍上の夫婦で、県指定の医療機関で特定不妊治療を受けた方に、費用の2分の1以内で、年20万円を限度に通年5年間助成。

不育治療助成

 法律上の婚姻をして1年以上の夫婦で、奈義町に住所を有しており、(社)日本生殖医学会が認定した生殖医療専門医が所属する医療機関で不育治療を受けた方に、年30万円を限度に通年5年間支給。

なぎっこきずなメール

 新しい命をはぐくむことや、親になることへの戸惑いや不安が少しづつ喜びや楽しみに変わっていくように、妊娠中から家族で読める、メッセージ版「育児百科」の作成。

なぎチャイルドホーム

 乳幼児を持つ子育て中の親子が集える常設広場、つどいの広場「ちゅくしんぼ」を週5日(月~金、9時00分~15時00分)開設。

よちよち広場

 生後3ヶ月~18ヶ月までの乳幼児を持つ保護者を対象とした広場。月に1度、お母さんの勉強の場となっている。

一時保育

 週3回以内、満1歳から4歳未満までの健康なお子さんを預けることが可能。(午前7時30分~午後6時30分)幼児一人あたり1日1,800円。

子育てサポートスマイル

 なぎチャイルドホームにて一人あたり1時間300円で、町内在住の子育て中の先輩ママや子育てを応援してくださる方たちが子供をみてくれる。(午前8時30分~午後5時00分)

親子クラブ

 0歳~就学前の乳幼児とその保護者を対象に3つの親子クラブと1つの自主クラブがあり、家族間の交流の場。

 

保育園・幼稚園について

保育園

 生後6カ月から児童の受け入れ。

幼稚園

 幼児教育保育の無償化制度により、授業料は無料。

預かり保育

 幼稚園の園児は、降園時から午後6時まで、児童を預けることができる。利用料金は園児一人あたり月額6,000円(利用日数が10日未満の場合は日額300円)。同一世帯で二人以上の利用がある場合、二人目は利用料金の50%を減額し、三人目以降は無料。幼児教育保育の無償化制度の認定を受けられる方は、使用料が無料。

保育料多子軽減

 保育料の多子軽減策の実施。(対象の子どもの数は同一世帯の18歳から保育園児までを数え、第2子半額、第3子以降は免除。

放課後児童クラブ

 奈義小学校に在籍する児童で、保護者の就労等のため放課後等の家庭保育が困難な児童を対象に、放課後から午後6時まで預けることができる。

やすらぎ福祉年金交付

 中学3年生までの子供を養育しているひとり親に対し、年額5万4千円を交付。第2子以降で1人ごとに2万7千円を加算。

 

 どうしてこの小さな自治体がここまでやれるのか。その番組ではこれを成し遂げた財源について、「議員の削減」と「町職員の削減」を紹介していた。 

 しかしただ減らすだけであればサービスは低下してしまう。これを達成したのは住民のサポートする側への参加があったからだと紹介していた。

 

 今、奈義町は全国から注目されており、視察が途切れないとのこと。「奈義町 子育て支援」で検索するとたくさんの情報がでてくる。

 奈義町もそうであるが、やはり子育て支援少子化対策のキーワードは、子どもが「多ければ多いほど」手厚くなる子育て支援・施策ではないだろうか。