ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

モンベルと辰野勇著「軌跡」

 「モンベル」は大好きなアウトドアショップである。東京滞在中も立ち寄り、店内のキャンプギアをあれこれ見て回った。購入しなくても見るだけでワクワクしてしまう。その一角の書籍コーナーにモンベル会長の辰野勇氏の本がいろいろ並んでいた。

 

 ずっと以前、趣味としてカヌーを楽しんでいた頃があった。川の流れに乗ってゆったりと、そして瀬があればスリリングに進んでいく。水面に腰掛けている感じのポジションから見える景色は、岸から見るものとは全く違った風景であり、透き通った水の中に魚を見つけることもできた。

 その頃読んだ本に辰野勇著『社長室はアウトドア』(1992年発刊)がある。氏は登山家としてキャリアが抜群であるが、この本の中には、黒部川の激流をカヌー(カヤック)で下っていくことを書いた章があった。そしてこの中にあった写真(15mの高さの滝に飛び込み着水するまでの連続写真)は強烈な印象として今も残っている。

 

 そんな記憶もあり、書棚の中にあった1冊の本を手に取り少し読んでみた。

 辰野勇著『軌跡』。「原点」「起業」「旅と冒険」「アウトドア義援隊」「対談」という章立てとなっている。

 氏がモンベルを創業したのは1975年。その後半世紀余りの歩みの中で、現在トップブランドのポジションの中にある。氏は経営者としても一流であるが、アウトドアマンとしてもの足跡も素晴らしく、アイガー北壁の登頂で世界最年少という記録を持っているほどである。そして日本初の身障者カヌー大会の開催や東日本大震災では「アウトドア義援隊」を組織し、自ら陣頭指揮をとり災害支援活動を行うなど、社会活動の面からも様々な実践を行っている。

 

 その辰野勇氏も現在75歳。経営者として、そしてアウトドアマントしての氏の生き方に興味を抱かされていた。そんな中でのこの本との出会いである。

 

 今、少しずつ読み進めている。「原点」の章の最後に記されていた文章が、深く心に残った。

 『私の行動基準の中に“失敗”という概念がないということです。物事がうまくいかなかったとしても、私はそれを“失敗”とはとらえずに“不都合”と、とらえているのです。“失敗”は、即ちその行為の終結を意味しますが、“不都合”は、その問題を是正することで、目的に向かって歩き続けることができるわけです。』

 It’s not a failure but it’s just a inconvenience.

 

 まだ読み始めたばかりである。これから先の章にも興味が尽きない。