本日、以前勤めていた職場の同僚から「本日バイクが納車されました。」とのメールが届いた。購入したものの人気車種であるが故に、納車までに随分時間がかかっていたようである。本人も待ち焦がれていたと思うが、「納車されたら一緒に走りましょう」と話していただけに我がことのようにこのメールを嬉しく見た。
この週末、その彼は、納車されたバイクとどれだけの時間を共にしたのだろうと思う。
私が今のバイクを手にしてから、もう随分時間が過ぎた。学生時代に中型免許を取ったものの、就職と同時に興味はバイクから車に変わった。しかし30代も終わりに近づいた頃、再びバイクに乗りたいという想いに駆られ、ならばいっそのこと大型バイクに乗ろうと決意。仕事終わりに教習所に通い、なんとか大型免許を取得することができた。
そしてバイクの購入となるのだが、当時憧れていたバイクを一目見てみたいと言う想いとせっかく免許があるのだから試乗させてもらおうとの考えから、2時間ほどかけてショップに行ったことをついこの前のように思い出すことができる。憧れのバイクはハーレーダビットソン。いろいろな車種があるのだが、その中の「スポーツスター」というジャンルのバイクに強い憧れを抱いていた。当然試乗したいのはこのバイク。
ショップに着いて、手続きを済ませ、早速乗らせてもらった。エンジンの鼓動がダイレクトに体に響いてくる。教習所で乗っていたバイクとは明らかに異なるものを感じた。恐る恐るショップから走り出し、公道に出る。直後にアクセルを更に回しスピードを上げる。一瞬風になったように感じたことを今も思い出すことができる。15分ほど乗ったのだろうか。夢心地のような時間だったように思う。転倒させることもなく、無事ショップに戻れたことに安堵しつつ、下車したバイクを改めて羨望の眼差しで見ていたのだと思う。ショプの方が話しかけてきた。
「いかがでしたか。いいバイクだったでしょう。」
そして話を続ける。
「実は、ここに、このバイクの50周年記念モデルがあるんですよ。」
この50周年記念モデルは、バイク雑誌でよく見ており、そのかっこよさは十分に認識していた。そのバイクがここにあると言うのである。
見た直後に、このバイクに心を奪われてしまったのは言うまでもない。完全にノックアウト状態だったと断言できる。
更にショップの方は言葉を続ける。
「このバイクは、世界限定2000台の限定生産です。」
「そして、日本には200台しか入ってきません。」
「宮崎に入ってくるのは、その内の2台だけで、その1台がこれです!!」

セールストークは更に続く。
「10年ローンで、月々の支払いは1万円とボーナスで少しばかりを足せば購入できますよ」
頭の中で、月々の飲み会を2回ほど減らせば購入可能であるという結論を半ば強引に導き出し、購入予定など全くなかったのに、ショップを出る際には、そのバイクは「契約済み」に変わっていた。
それ以降、それが我が愛車になってからは、早朝だろうが、寒かろうが、それらを全く気にすることなく、時間を見つけては走っていた。走らぬ時も、その横にチェアーを出し、共に時間を過ごすことも楽しいひと時だった。
そして、この頃のバイクライフを1冊の本として書き上げ、我が人生の夢であった「本の出版」を叶えてくれもした。

もちろんこのバイクは、今も大切な愛車として我が人生を彩ってくれている。そして今、新たな夢として、このバイクを北海道の大地で走らせてやりたいと思うようになっている‥‥。
おっと、話が大きくなってしまった。先ずは、元同僚である友人とのツーリングである。
どこを走ろうか。これを考えるのも、実は楽しいひと時なのである。