先日、ふと立ち寄った書店で気になるタイトルの本を見つけた。
養老孟司著『人生の壁』。

いわゆる養老孟司「壁」シリーズの中の1冊になる。発行が2024年11月20日となっているのでシリーズ最新作なのだろう。実は、この「壁」シリーズの始まりとなり、大ベストセラーとなった『バカの壁』も、興味津々で当時購入した。しかし、最後までたどり着く前に挫折してしまった。その理由はよくわからなかったから。どうしてこれがそんなに注目を浴びているのかという疑問も抱いていたように思う。
この「壁」シリーズは、そういえば他にもあったよなぁと思い調べてみた。「バカ」の次が「死」、それ以降、「超バカ」、「自分」、「ヒト」と続いた。いずれもベストセラーとなり、累計700万部突破の人気シリーズとなっている。「バカの壁」で挫折してしまったので、後に続くシリーズに面白そうに感じたタイトルもあったのだが実際に手に取ることはなかった。ちなみに『バカの壁』は450万部を記録し、第二次世界大戦後日本における歴代ベストセラー5位となったようである。
さて、この養老孟司氏は、1937年11月生まれの現在88歳。医師・医学者・解剖学者、東京大学名誉教授等々、いろいろな肩書をお持ちである。このような人物が書いた『人生の壁』というタイトルの本に、どんなことが書かれてあるのか。氏が考えた人生の壁とは、いったいどんなものなのだろうと俄然興味が湧き、本を抱えてレジに向かった。
こんな突然の出会いがあるのが本屋のいいところだとつくづく思う。ここに来るまではこの本の存在を全く知らなかった。
帰宅後、早速読み始めた。前書きにはこのように書いてある。
『自分の人生も残り少なくなった爺さんが、子どものことやら青年のことやら、世界のことやら日本のことやら、あれこれ心配しています。』
目次には、第1章「子どもの壁」、第2章「青年の壁」、第3章「世界の壁、日本の壁」、第4章「政治の壁」、そして第5章が「人生の壁」となっている。氏の人生観を通して、今のこれらのことについてどう見て、どう考えたのか、俄然興味が湧いてきた。そして同時に、この本がどのような評価を得ているのかも興味が湧いてしまったので、Amazonで調べてみた。おすすめ度は5つ星のうち4.3。レビュー数242。コメントも好意的なものが多く、「学びを得た」という内容のものが多くを占めている印象を受けた。
現在、まだ読み始めたばかりで第2章の途中まで辿り着いたところ。難解さは特になく都度頷きながら読み進めている感じである。
「子どもの壁」の冒頭で、子どもの自殺が心配といっている。『日本人の死因を見ると、「10歳〜14歳」と「15歳〜19歳」の一位は「自殺」、20歳〜39歳までも「自殺」が一位です』とある。ここから氏の、何故に「多くが人生で一番楽しい思いをしていなければならない時期であるはずなのに、死にたくなるような思いをしている子どもが多いのか」と、自問し、ここから氏の考えが展開されていく。
今回は、3色ボールペンを持ちつつ読み進めている。これは齋藤孝氏の「三色ポールペンで読む日本語」で学んだ手法。青は「まあ大事」、赤は「すごく大事」、緑で「おもしろい」と色分けしながら文章に向き合うという読書法。今回第1章だけで赤線だらけになってしまった。
人生の大先輩の人生観に触れることに楽しさを感じる。何歳になってもその年齢を生きている「今」は、全てが人生初である。どうすればいいのか、どう考えればいいのかの答えがわからないままに試行錯誤の中で判断し、決断しつつ前に進んでいることも多い。そのような時に先人たちの経験やそこからの学びに大きな意味を感じる。今回もまた同様である。今日もまた、三色ポールペンを持ちつつ読み進めたいと思う。
実は、この本を読み終えたら、前回挫折したままになっている『バカの壁』にもう一度挑戦してみようかなと密かに考えている。