テレビを見なくなって久しい。それに変わってYouTubeを見ることが格段に増えた。更新されれば毎回見ているものもあれば、内容に惹かれて見るものなど、テレビと違って受け手が主体になるので楽しみの度合いも当然高くなる。テレビ離れも自然な流れのように思う。
さて、チェックしているチャンネルの一つに『脱税理士スガワラくん』がある。「士」業は将来先細りしていく業界と判断し、脱サラし会社経営の傍ら経済系YouTuberとしても活躍している。フォロワー数140万人とある。本名菅原由一。
ここで非常に興味深いタイトルの動画が配信されていた。
『65歳からでは遅い!? 実は早く貰わないと損して‥‥。』
年金をいつから貰うのがいいのかということについては諸説いろいろある。いずれにも共通しているのは、「何歳まで生きられるか」という点。しかし、「では何故そうなのか」と問われると明確には答えられない。損益分岐点は81歳という。
今回この動画では、この点に明確に答えてくれており、この難解な問いへの考え方を整理することができた。
この動画では、老齢基礎年金と厚生年金の両方を受給している人を例に取り説明している。繰上げして60歳からの受給、何もせず65歳から、そして繰り下げし70歳からの3つのパターン。
まず、繰上げして60歳からの受給した場合、月にもらう年金は、65歳の時と比較したとき月0.4%減額される。年で4.8%の減額になる。仮に65歳開始の人が200万円の年金を受給したとした時、60歳からの繰り上げをした人の年の受給額は152万円になる。これが生涯続く。これだけを見ると繰り上げは損をしているように感じるが、65歳の人が年金受給を開始するまでの5年間で152万×5年で760万円を既にもらっていることになる。これを65歳受給開始の人が取り戻すためには、760万円÷48万円で15.8となり、約16年後に追いつくことになる。その後は、毎年48万円ずつ差が広がっていく。
同じようなやり方で、繰り下げ受給した場合を計算してみると、同じように81歳が分岐点になる。受給する年金額だけを見れば、81歳まで生きるか否かが考え方の基本になるが、これではなかなか結論が出しにくい。今、平均寿命は男81歳、女87歳。健康寿命は男72歳、女75歳という。まぁ、これも一つの考え方の要素にはなるが、それも明確な判断基準にはなりにくい。
そこで脱税理士のスガワラくんは言う。「年金にも税金という視点」。年金は「雑所得」となり、所得税や住民税がかかってくる。所得に応じて5%〜45%。つまり年金が多いほど納める税率は上がり、税金は増えていくとのこと。税金が増えれば当然貰える額は減る。
更には、就業年齢が伸び、場合によっては労働収入と年金の両方を得る人もあると考えられるが、このような場合、収める税金はさらに増えてしまうということになる。
このような観点も踏まえた上で、スガワラくんは貰えるものは基本早くもらうのがいいという。ただ、「しかし」がつく。それは給与がある場合。給与所得があるのならまだ貰わない。そして退職後2年間は失業手当が出るので、この2年後から受給するのがいいのではないかと提案している。
そして最後に言う。
「いずれにしても貰えるものは早くからもらったほうがいい」
何故か?
「それは法律が変わるリスク」
このリスク、かなり大きいように思う。そもそも年金の財源自体が先細りの状態である。今の計算がこの先10年、20年続くとは考えにくい。
いよいよ1月27日に公示された衆院選挙の投開票が今月8日とそこまで迫ってきている。各党、この年金問題をどのように捉えているのだろう。生活者目線という言葉がよく聞かれるが、「年金」という言葉はなかなか聞かない。ちょっと調べてみようと思う。