書店や図書館に行けば旅行関連のコーナーを覗く。書棚に、気になる題名の本があればもちろん手に取って中を見る。ガイドブックもいいしエッセイもいい。
今回もまた、「おっ!」と目を引き、手に取った本があった。タイトルは『ひとりがいい旅』。副題には、「ひとり“でも”ではなく、ひとり“だから”行きたい旅がある」とある。

著者は「まろ」。肩書きには、「おひとりプロデューサー」とある。「出会い旅」「浸る旅」「ぶらり旅」「デトックス旅」「いつもの旅」の5つの章からなる。各章のテーマがいい。「出会い旅」は、直感を信じて私の好きに出会う。「浸る旅」は、時間を忘れて私だけの世界へ。「ぶらり旅」は、気の向くままに一人散歩。「デトックス旅」は、肩の力を抜いて心身を解きほぐす。そして、最後の「いつもの街旅」は、ひとりだから違う景色が見える。旅のテーマ分けという発想がいい。そしてそれぞれに合う観光地が紹介されている。「出会い旅」は、さらに「ひとり民藝旅」と「ひとりうつわ旅」の2つの括りで観光地が紹介されている。
全部で28か所の観光地が紹介されている。宮崎の地にいるのでどうしても九州の観光地に目がいってしまう。全部で3つあった。一つ目は、『浸る旅』の中で、「ひとりアート・建築旅」として大分市立美術館が紹介されている。大分県はアートに関する情報の発信が多いことを感じている。それを代表するのが『大分県立美術館』。ここはガラス張りの外観で建物自体もアートチックで開放感があり、建物自体にもセンスの良さを感じさせる。が、ここで紹介されているのは「大分市立美術館」。この美術館のことを知らなかった。しかし、この本に書いてある紹介文を読むとすぐにでも行きたくなってしまった。この本の作者は、バスを降りた瞬間、「ああ、ここに来て良かった」と思ったらしい。
二つ目は、『デトックス旅』の中の、「ひとり温泉旅」。ここで紹介されているのは、「別府鉄輪温泉」。鉄輪温泉にある温泉がいくつか紹介されているのだが、その中の一つが「鉄輪むし湯」。ここは湯に浸かる温泉ではなく、薬草が敷き詰められた、温泉の噴気で温められた約8畳あまりの石室内に横たわって、身体を発汗させるという。終わった後の爽快感が素晴らしく、思わずスキップしたくなるとのこと。ここも全く知らなかった。ただ特に行きたいとか問われれば、蒸されるより湯に浸かった方が好みかもしれない。
そして3つ目が、『いつもの街旅』の中で、「福岡」が紹介されている。一人でほっと一息できる場所がたくさんあるとのことで、隠れた癒しスポットが4か所紹介されていた。
とてもいい本だった。読み終えた後、ふらっと旅に出かけてみたくなってしまうこと間違いなし(だと思う)。
そしてもう一冊。これは「旅」とは全く関係ない。いや、旅の途中で読むのもいいかもしれない本、いや辞典なのである。タイトルは、『妄想国語辞典』。

著者は、「野澤幸司」。この方の職業は現在コピーライターとのこと。冒頭で、この本のことを「この世の中にまだない日本語を勝手に開発し、勝手に紹介するという、妄想の集大成」と紹介している。とにかく笑える。最初の言葉が、『IT社長が女優をゲット』という言葉。これの意味は、「叶わない夢はないこと」。読んだ瞬間笑ったのはこれ。『行けたら行きます』。意味は「絶対に果たされない約束」。『イケメンの寝ぐせ』は、「短所が転じて長所になること」。『一瞬いい?』の意味は「込み入った相談のこと」。『売れる前から、応援してて』は、「必要のない報告」。『浮気の達人』、これは「評価しにくいこと」らしい。『お土産の木刀』は、「全く必要のないもの」。『大学生の「お疲れ~」』。この意味は「100年早いこと」。どれも口元が緩んでしまう。そして丁寧に、使い方を示す例文付き。この作者、この本書き上げるのにどれだけの時間がかかったのだろう。さすがコピーライターである。言葉への感性とセンスが素晴らしい。
まだまだ紹介したい本があるが、今回はここまで!!









