バンコク滞在3日目。
今日は、昨日申し込んだツアーに参加した。
アプリの案内には、『寺院、運河、地元の生活を楽しむ自転車ツアー』とある。集合時刻8時45分、ツアー時間3時間。ガイドを先頭にいろいろ周るようである。バンコクを知る格好の内容である。ツアー自体は申し分ない。しかし、一つだけ懸念点があった。集合場所に指定時刻までに到着することができるか。ツアー実施の際、遅れた人がいてもツアーは開始するという。つまり遅れれば不参加扱いになるとのこと。返金は当然ない。しかし、まぁ、これは時間が解決してくれる類のもの。それを見越して早めに出ればいいだけのこと。モノレールと地下鉄、そして徒歩で約1時間の場所にある。案の定、乗り換えでの駅探しとルート探しで少々戸惑いが発生してしまう。余裕を持って出たはずだが到着時には参加者が結構集まっていた。

このツアーには12名ほどの申し込みがあったようで、そのほとんどが欧米の人たち。アジア系は我々だけだったように思う。簡単にツアー全体の説明が行われ、そして体格に応じた自転車があてがわれる。変則付きのクロスバイク。
ツアー説明文には、『寺院、運河、地元の生活を楽しむ自転車ツアー』とあった。コースは、市内中心部から少々離れた地域。我々一団は、自転車にまたがりここに住む人たちの生活空間をグングン走っていった。場所は下町。
昨日見た豪華な、巨大なショッピングモールなど無縁のような場所。どちらかといえばそれらとは対極にあるような場所だった。道端には幌をつけたリヤカーの上に売り物用の食べ物が積まれようとしている。あるいはそれを作っている人の姿も見ることができる。住居も覗き見ることができる。住居は、狭い倉庫のような建物に、ソファーとテレビ、寝具があるだけの質素なたたずまい。居室は薄暗いが電気をつけていない。中にはご高齢の方が椅子に座りテレビを見ている。入り口のドアが開け放たれているので自然とその様子が目に入ってくる。
巨大な空港、市内中心部に乱立する巨大ショッピングモール。街中にはタワーマンションも多い。綺麗な服を着飾り、街の中を走る車もいい。東南アジアを牽引するタイの首都バンコクの経済発展ぶりを目の当たりにさせられていた。バンコクに来て、市内中心部に宿を取り、この辺りを初日二日目とぶらぶらした。街の風景を見ながら相方が言った。「地元民とおもわれる高齢者の姿がないなぁ」。街に溢れるのはタイ国以外からの旅行者と着飾った地元人たちだけである。相方の発した呟きの答えが、今回ツアーで周った地域の中にあったように思う。タイ国民の貧富の差、そして世代間で生じたこれらの個人としての経済力の差がどうしようもなく広がり、このような格差が置き去りになってしまっているように感じた。夜、大通りを歩くと路肩で寝ている人を少なからず見る。通年を通して暑いタイである。寒さに耐える必要はない。何も覆わずに寝ている。日本の路上生活者でもなく、欧米にあるようなスラムでもない。
今回参加したツアー主催者がいう。「ここで生活をしている人たちは貧しい人たちです。私もここで育ちました。しかし、ここにいる人たちは、私たちツアーリストに笑みを浮かべ挨拶をしてくれます。経済的には豊かではありませんが、皆心は優しいのです」。自転車は細い生活道や軒先をも走っていく。完全にここに住む人たちの生活道である。しかし、すれ違う人たちは、嫌な顔をすることもなく、皆、笑みを浮かべ言葉をかけてくる。下水道などはないのだろう。道脇を流れる水路(小川)は生活排水が流れ濁っている。
このツアーに参加していなければ、バンコクの華やかな一面だけを見てこの都市を評価していたように思う。今回、このツアーで見ることのできた風景こそ、発展著しい大都市が抱えるもう一面の姿なのだと思う。午前中のたった3時間ほどだったが、ここでの体験に大きな意味を感じている。ツアーでは、人々の暮らしに触れつつ、寺院や運河にも寄った。それぞれを楽しむことができた。このツアーに参加できて本当に良かったと改めて感じている。




なお、今回、自転車に乗っていたこともあるが、ここに住む人たちの生活空間を写真に収めることははばかれた。したがってここにその画像を添付することはできない。
時間を遡って、朝見た光景のことを書く。市街地のごみ回収の風景である。

仕分けされることなく廃棄されたゴミを収集車のところで分別している。作業をしているのは若者たち。前段で書いた高齢の人だけでなく、負の連鎖というようなこともついつい考えてしまう。
午前中のことだけでいっぱいになってしまった。この日の午後のことは次回に!!