ここしばらく劇場で映画を見ていなかったのだが、最近続けて2本の映画を見た

昨年2月14日と18日のブログでもこの『沈黙の艦隊』のことについて書いた。全6話ドラマの途中迄の感想と、全てを見終わっての感想の2回。それほどにインパクトのあったドラマだった。その時も書いたが、原作は1988年から1996年迄の間、雑誌「モーニング」に掲載された長編漫画である。その当時、読んだ記憶がうっすらとあるのだが、どこまで読んだかも記憶が定かではないだけに、映像で展開されるストーリーは毎回新鮮で、とにかくスケールの大きさと奇想天外の展開に毎回ワクワクさせられていた。と、ここまで書いて、更に、この『沈黙の艦隊』のことを詳しく知りたいと思い調べてみた。〈Wikipediaからの引用〉
[時代背景]
・8年で全32巻と長期間連載されたが、劇中の経過時間は2か月である。
・連載中に終結ソビエト連邦の崩壊や冷戦終結など現実世界の世界情勢が劇的に変化し、本作の設定や物語に影響を及ぼしている。
・連載を開始した10月1988年10月は、なだしお事件2か月後で、海上自衛隊(海自)や潜水艦に関心が集まっている時期であった。
時代背景を知ると、見方見え方がずいぶん違ってくることを感じる。
今回見たのは『沈黙の艦隊 =北極海大海戦=』。ドラマで見たのは『沈黙の艦隊 シーズン 1 ~東京湾大海戦~』。今回の映画はこれの続編になる。
東京湾での海戦を終え、ニューヨークを目指す「やまと」を、アメリカ艦隊が迎え撃つというストーリー。その間、国内では、内閣の解散や総選挙というエピソードが絡み合い、物語は小気味よく進んでいく。
わかっていたことだが、今回の劇場版もまだまだ続く物語の「途中のお話」で、ストーリーはまだまだ続く。この続編が待ち遠しいが、その前に、『沈黙の艦隊 シーズン 2~-北極海大海戦~』が作られるのだろうか。いずれにせよ楽しみは多い方がいいのである。
さて、2本目が、興行収入150億円、観客動員数1066万人を突破したという『国宝』。話題を集めていたのは知ってはいたが、話の内容は「歌舞伎」。特に関心がある分野でもなかったので特に見ようという意識も働かなかったのだが、ここまで話題を集めるからには、それなりの理由があるはずで、それを知らないまま後になって、「あの時見ておけばよかった‥‥」と後悔するのも嫌なので見にいくことにした。

この映画、上映時間2時間55分という長尺。にもかかわらず最初から最後まで飽きることなく画面に惹きつけられてしまった。もう「圧巻!!」という2文字しか浮かんでこない。後に人間国宝となる男の生涯を描いた内容。あまり馴染みのなかった「歌舞伎」の世界を、特に難しさを感じさせることなく話は展開していった。そして、なによりも凄かったのが、ダブル主演の吉沢亮と横浜流星の見事な舞。渡辺謙もよかった。そして脇を固める永瀬正敏、田中泯も素晴らしい演技を見せていた。とにかく吉沢亮と横浜流星の圧倒的な演技には、ただただ感動させられ、「役者」というものの凄さを改めて感じさせられた。この二人、1年半をかけて歌舞伎の所作や舞踊の稽古を積んだという。
全てを見終えた後、振り出しに戻ってこの物語を思い返した時、その時々の展開がどうなっていたかをうまく思い出せず、全体がわかった上で改めてもう一度見てみたいと感じさせられてしまう映画でもあった。
そして映画館を出た後、書店に向かった。目的は、原作でもある吉田修一著『国宝』を買うため。この映画の基になった原作にはどのように描かれてあるのかを知りたかったからである。
これを読み終えた後、ぜひもう一度『国宝』をみたいと思う。