昨日のブログで、少子化対策としてフランスが取り入れている「N分N乗方式」について取り上げた。子供が増えるに従って税の負担額が減っていくというシステム。
同日、自民党税制調査会の幹部を務める甘利明前幹事長が、「子育ては全国民に関わり、幅広く支える体制を取らなければならない」と強調し、少子化対策の財源として将来的な消費税率の引き上げも検討対象との認識を示したことを、各メディアが一斉に取り上げていた。
どうしてそのような発想になるのかと考えると悲しくなってしまった。子どもを増やす政策のために国民に負担を求めていくという。
このことに対し、大阪府の吉村洋文知事の6日に更新したTwitterがYahooニュースに取り上げられていた。
『「少子化対策の為に消費税増税? 勘弁してよ。一体我が国の国家運営はどうなってるんだ? 逆だよ、逆。減税」と増税論議に異議申し立て。「本気で少子化対策するなら、子供の数が多くなればなるほど、所得税が減税される方式へ大転換(N分N乗方式)。それと所得制限なき教育(保育)の無償化。異次元の少子化対策へ」と少子化対策の具体策を提示した。』とある。
全くそのとおりである。子どもを産まないという選択をするとき、その理由として「子育てにかかる経済的負担」を挙げる人は少なくない。産みたいけど産めない人たちの声が届いていないのだろうか。
甘利氏は、自民党税制調査会の幹部である。この「税制調査会」という言葉、よく聞くもののその役割や組織について理解できていない部分も多い。改めてこの「税制調査会」について調べてみた。
いきなりだが、『税制改正の決定権限は自民党税調幹部にある』と出てきた。
そして次のように説明がされている。
『税制改正については、二つの税制調査会がある。「政府税制調査会」と「自民党税制調査会」である。政府税制調査会は首相の諮問機関であり、学者や経営者、地方自治体の首長やマスコミ関係者などの委員20名と16名の特別委員で構成される。任期は3年で現在の会長は、石弘光一橋大学学長である。年度の税制改正答申をまとめるほか、税制の中長期的なあり方を示す中期答申を3年に1回の割合で出す。
一方、自民党税制調査会は、自民党の政務調査会に置かれている機関で、自民党議員で構成される。例年、11月頃から審議を開始し、12月中旬までに翌年の税制改正大綱をまとめることになる。政府税制調査会が税制のあり方や仕組みなどを提示するのに対し、自民党税制調査会では、税率や課税方法などを決めることに特徴がある。実質、これを基に財務省が税制改正法案を作成することになる。税制改正については、政府税制調査会ではなく、自民党税制調査会が決定権限を持っているのである。ここで注目したいのは、自民党税制調査会における税制改正の決定は、多数決ではないという点。中でも通称インナーと呼ばれる幹部が利害関係を超越した上で最終的な決定を下しているのである。』(新日本法規より)
我が国日本の少子化対策はどうなるのか。
このような組織下の中での、自民党税制調査会幹部の甘利明前幹事の発言である。
子どもは国の宝である。
子どもを産むことと育てることに、喜びと希望を持てる国であって欲しいと思う。
そして、若い世代が、そしてこれからを担う子どもたちと将来生まれてくる子どもたちが、この国に生まれてよかったと思える国の仕組みを作って欲しいと心より願う。