年が明け、早2月に入ろうとしている。この時期になると確定申告の4文字がチラチラしてくる。昨年までは、白色申告だったこともあり自分でやっていたが、今回は事業者としての申告になるため税理士に依頼することにした。いろいろと準備しなければならないものも多く、白色申告と青色申告の違いを様々感じつつ必要書類を取り寄せている。
その中の一つに、現在所有している不動産の「年間収支表」がある。所有物件に係る、1年間の収入と支出をまとめたものになる。
著書『投資マンションが気になったら読む本(幻冬舎)』に、マンション所有に係る経費について、3つの物件(区分)の所有後15年間の収支について詳しく書いた。本書と投資マンションに関する様々な本との違いは、具体的な収支を記載していることだと自負している。
この結果を基に「投資マンション」の資産性の是非を書いているのだが、「資産」となるか「負債」となるかは、物件の立地やクオリティなど建物自体の要素もあるが、それと同じくらい大切なのが「管理」であると詳しく説明した。家賃設定や空室期間の短縮、修繕費用の軽減など、賃貸管理会社の役割は重要であり、かつその働きが「資産性」に大きく影響する。
今回の出版(昨年9月末)にあたり、賃貸管理会社(著書の中ではG社と記載)を変更した。オーナーの立場に立ち、貸し手、借り手、そして管理会社の3社がwin・win・winの関係になり得るよう、一般的な管理のあり方の見直し、新たなシステムの構築を約束しての契約だった。
今回送られてきた「年間収支表」は、このG社による管理結果を表したものになる。
投資マンション経営は、新築物件の場合、借入金の返済が終わるまでは毎月の収支の黒字化は難しいというのが、15年間を超える経験からの結論である。月々の持ち出しが多少なりとも発生していた計算になった。ただし、返済が終われば3つの物件の計が月10万円を超える利益を生み出し、年間約120万円、10年間では約1200万円の利益を生み出すことにつながり、更には物件自体も数百万円の価値を持つ。
(なお、これが良質の中古物件で計画的に運用すれば、借入れがある期間も黒字化を図ることが可能になり、より資産性は高いものになる。このことについては回を改めて書いてみたい)
今回送られてきた年間収支表を改めて見つつ1年間を振り返ってみた。今年はそれぞれの物件で退去が発生し、空室期間が生じている。しかしいずれも短期間で次の入居者が見つかっており空室による損失が非常に少ない額で済んでいる。このことは確実な収益の確保につながっている。これはG社の力量と熱意によるもの以外の何者でもない。改めて賃貸管理会社の重要性を再認識する結果になった。
以下は3つの物件収入の概要である。なお、「支出」は、管理費の他、修繕費、修繕積立費、税金等も含まれた額である。
物件A
2022年は、2回の退去があったものの入居者がすぐに見つかり、安定的な家賃収入が確保できている。また、夏場にエアコンの故障があり取り換えを行なったが、管理会社の尽力により低価格での交換が実現し経費を抑えることができた。
収 入 71万1833 円
支 出 36万0680円
年間利益 35万1153円
月平均利益 2万9262円
物件B
2022年は、1回の退去があったが2週間程度で新しい入居者が見つかっている。
収 入 83万7903 円
支 出 38万3280円
年間利益 45万4623円
月平均利益 3万7885円
物件C
2022年は、1回の退去があったが直後に新しい入居者が見つかっている。
収 入 87万3578 円
支 出 35万0630円
年間利益 52万2948円
月平均利益 4万3579円
以上が、2022年の3つの物件の収支である。ひと月の平均が11万0726円という結果になった。著書の中で、今後は1つの物件で4万円の利益を目指したいと書いた。つまり月あたりの利益が計12万円となる計算である。初年度は、この目標を超えることはできなかった。やはり各物件とも退去者が1〜2回あったことが響いている。ただ、ここまで多かったのは15年間を振り返ってもなかったことであり、目標設定としては実現可能な数字だと考えており、今後も引き続きここを目指していきたい。
年々重さを増し続けている税金と、負担ばかりが増え恩恵は減り続けている年金。所得も他の多くの国が上昇の中にある中、ずっと立ち止まり後退りしているかのような我が国日本。そして「投資」の意義を今になってようやく言い出しはじめた政府の有り様をみた時、『自助自立』は不可避であり、そのための知識は主体的に獲得していかなければならないことを強く思う。
著書『投資マンションが気になったら読む本』とそれを補足する今回のブログが、今後の資産形成を考える際のお役に立てれば嬉しい限りである。
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