ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

春闘、満額回答ぞくぞく

 今日のwebニュースで、トヨタ自動車が第1回労使協議会にて賃上げや年間一時金(ボーナス)の要求に満額回答したとの見出しが複数見られた。同じ自動車メーカーのホンダも、労働組合からの要求である賃金改善分と定期昇給の合計で月1万9000円(組合員平均)の賃上げに満額で回答している。

 この他にも三井住友銀行が2023年4月に入行する新卒の初任給を5万円引き上げ、みずほ銀行も2024年春に入行する新卒社員の初任給を5万5千円引き上げる。三菱UFJ銀行は同程度引き上げる方向で最終調整中とのこと。これまで3メガバンクの初任給は2011年以降、横並びで20万5000円に据え置かれていた。

 

 今年に入って、様々な企業が賃上げを行なっている。主なものをピックアップしてみた。

ユニクロ(ファーストリテイリング)‥‥2023年3月から国内従業員の年収を最大40%アップ。及び初任給を現在の25万5000円から30万円に引き上げ。

任天堂‥‥全社員の基本給を10%アップ。

セガ‥‥年収15%引き上げ、初任給は30万円に。

ロート製薬‥‥年収を平均7%アップ。

サントリー‥‥基本給の底上げを行い月収ベース6%アップ(の検討中)。

 

 今年に入って、諸外国と比較した時、日本の最低賃金の安さや実質賃金の伸び率の停滞、そして平均所得の低さが様々に報道され、我が国の置かれている現状があからさまになった。その結果として人材の海外流失が現実的な問題となっており、将来の日本経済の衰退がより一層懸念されている。

 政府もこれらの危機感から、岸田首相が、経団連など経済3団体の新年祝賀会で2023年春闘春季労使交渉)に関し「インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と要請していた。今回の一連の賃上げ等については、このような流れによるものと言える。

 

 しかし、である。

 ここにきて多くの企業の賃上げ実施。

 やろうと思えばできていたことじゃないのかと思うのである。

 日本の賃金の低さについては、1月8日のブログ『日本の給料はもはや「先進国の“平均以下”「低所得の国」になった日本の「悲惨な現実」」というタイトルで発信した。

 日本独特の雇用システムと雇用環境が重なり合って今に至っている。その結果としてこの現実。国内市場だけでは、人口減少や上がらぬ所得と物価高で企業の経済活動は目減りしており、将来に向けての人材確保もおぼつかないという状況が企業に危機感を抱かせたのだと思う。ぜひともこの流れが『日本経済ビックバン』につながっていってほしいと心から願う。

 

 ただ、気になることもある。

 資本金1億円未満の中小企業では、賃上げを実施すると回答した企業は80.0%。ただ基本給を引き上げる「ベースアップ」を行うと答えたのは49.2%で、大企業の55.9%を6.7ポイント下回っている。賃上げを実施しないと回答した中小企業に理由を聞いたところ「価格転嫁できていない」との回答が58.6%で最も多かったとある。

 

 企業体力の差で賃金に開きが生じ、出せるところと出せないところの格差がますます広がっていってしまうようにも感じる。

 平均点を上げていくのがいいのか、トップクラスの集団をさらに伸ばしていくのがいいのか。様々意見が分かれるところだと思う。

 

 しかし、いずれにしても賃金アップは明るい兆候である。