ファンディの日々雑感。

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65~69歳」の就業率と平均年収

 ネットで興味深い記事が配信されていた。

 タイトルは、『「65~69歳」の就業率と平均年収はどのくらい?』というもの。

 人生100年時代と言われ始め久しい。5月13日のブログで、区市町村生命表についてとりあげ、長寿自治体トップの川崎市麻生区のことを書いた。この麻生区の平均寿命は、なんと男性84歳、女性89.2歳なのである。人生100年は特別なことではないことを考えさせられる。

 

 長生きは素晴らしいことである。しかし、我が国日本の現状は、長生きリスクが重たく背中に乗っているようであり、このことを心からは歓迎していないようにも感じる。その大きな要因として、減額され続け、更には支給開始がさらに遅くなりそうな年金支給の現状や上がらぬ所得と生活コストの増大により、十分な貯蓄ができなかったことなどが背景にあるように思う。

 

 退職後も再雇用で65歳まで働き続けることは、今や珍しいことではなくなった。

 では65歳を迎えた後はどうなるのか。この現状を伝えているのが今回の配信記事。

 

 記事の概要は以下のとおりである。

○働いて収入を得ることができれば、原則65歳から受給開始の老齢年金の受け取りを最大75歳まで遅らせることができる「繰り下げ受給」の利用も、心置きなく選択できる。繰り下げ受給は、年金受け取りを1カ月遅らせるごとに0.7%増え、受給開始を70歳にすれば42%、75歳にすれば84%も増額できる。

 

 つまり65~69歳に働き収入を得ることができるメリットは大きく、増額された年金額は一生涯もらえるので、長生きのリスクに備えるために有効な方法だという。
 

 そして記事は核心部分に触れていく

○2021(令和3)年の労働力人口は6907万人。そのうち、65~69歳は410万人(6%)。

○「65~69歳」で働いている人の割合は50.3%。男女別の就業状況では、男性が60.4%、女性は40.9%。

 

 以前であれば、65歳を過ぎたらリタイアしてゆっくり暮らすというイメージがあったが、最近では、男性・女性ともに約半分の人が働いていることがわかると記事にはある。

○高い割合で就業している65~69歳の人々の雇用形態で多くを占めているのは「非正規職員」。その割合は、男性は67.8%、女性は83.9%。

○65~69歳の平均年収は、男女をあわせた平均賃金は25万7600円で、年収に換算すると309万1200円。

○男女別では、男性の平均賃金27万4500円(年収に換算すると329万4000円)、女性の平均賃金21万6200円(年収に換算すると259万4400円)。

 

 そしてもう一つ長く働き続けることのメリットが書かれてある。65歳以降になると、多くの人は非正規雇用で働くが、要件を満たすことで厚生年金に加入でき、65歳時点で受け取れる年金をさらに増やすことが可能になるという。

 例として男性の平均賃金約27万円の場合、定年後、厚生年金に加入して、月給与27万円(年収324万円)で1年間働いた場合、将来もらえる年金額は年額で約1万8000円増え、もし5年働けば、将来もらえる年金は約9万円増えるとのこと。


 そして記事は、『65歳以降も働き続けると、毎月の定期収入が得られると同時に、将来の

年金受給額を増やせるという効果も得られます。』と言う言葉で締め括られている。

 

 複雑な思いに駆られる。

 

 健康寿命と言う言葉がある。これは『健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間』のことをいう。この健康寿命は、2023年の資料を見ると日本は世界一であり74.1歳となっている。

 

 目減りしていく年金や上がらぬ所得。そして減り続けいく日本の人口。これらに対する政策は、どれもこれもが輝きを放てていない。

 

 その結果が、『健康な間は、年金受給は先に延ばして、可能な限り働き続けていきましょう』では、あまりに悲しい。