ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

なぜ日本人はマスクを外せないのか?

 いよいよGW明けの8日からコロナの感染症法上の位置づけが2類相当から5類に移行される。流行が始まってから約3年、大きな転換点を迎えることになる。「アフターコロナ」の暮らしの始まりともいえる。

 ただ「マスク着用」については個人の判断に委ねるとし、依然としてマスクを着用している人が圧倒的に多い状況にある。その理由としては、「コロナへの感染を防ぐ」「花粉症などほかの病気への感染リスクを防ぐ」という理由の他、「顔を見られたくない」「恥ずかしい」「自信がない」など後ろ向きの理由も多く挙げられている。

 諸外国では、いち早くマスク着用を解禁し、公共の場でマスクを外している人の姿が映像を通して伝えられていた。

 

 「なぜ日本人はマスクを外せないのか」という問いに対して、とても興味深い配信記事を見つけた。記事では、その理由を「言語」にあるという。

 『表情筋を動かさずに喋れる日本語』と題して論をすすめている。

○『日本語は口先をわずかに動かすだけで、ほとんどの意思疎通が可能。それは発語する位置が口先だから。一方、欧米の言語は舌の付け根のほうで発語し、口内をかなり動かして言葉にする。』

○『イタリア語もドイツ語も英語も、欧米の言語は口内のあらゆる筋肉を動かさなければ、ネイティブのような発音にはならない。欧米の言語は喋る際に顔の下半分の表情筋をかなり大きく動かすので、結果的に、顔の下半分が非常に豊かな表情になる。』

○『一方、日本語は表情筋をほとんど動かさずに喋れて、それで十分に意思疎通ができる。韓国語や中国語と比較しても、圧倒的に表情筋を必要としまない。だから、日本人は欧米人の発音を真似るのが苦手。』

○『声楽界では日欧の差がさらに開いたことが懸念されている。マスクを着用することで、声楽にとって一番の土台となる呼吸が浅くなることは以前から指摘されていたが、加えてマスクをしていると表情筋を使いにくい。しかも、日本語はそれでも喋れてしまうので、日本人はますます表情筋を使えなくなる。』

 

 日本人がなかなかマスクを外さない原因自体が、表情筋を使うか否かということに大きく関係していると記事は伝えているのである。そして更に続ける。

 『欧米人は人と意思疎通をする際、常に顔の下半分を多様に動かして、豊かな表情を浮かべる。彼らはそれを意識して行っているわけではないが、上述のように言語の特性から、言葉をきちんと話そうとすると表情筋がさまざまに動くので、いきおい口の周囲に豊かな表情が浮かぶのである。』

 『いうまでもなく、それは欧米の言語が話されてきた長い歴史に根差しており、彼らは人と話すとき、相手の目よりも口の周囲を見ることが習慣になっている。欧米人にとっては相手の感情や心の奥底に秘めた思いは、顔の下半分の表情から読みとるものだから、マスクによってそれが隠されていると不安になるのである。』

 『一方、日本人はその逆で、顔の下半分はそれほど表情が豊かではないので、マスクで隠していても気にならない。そのかわりに相手の目を見る。「目は口ほどに物を言う」とは、あくまでも日本語の特性に根差した成句で、欧米では通用しない。事実、欧米人はマスクを嫌うが日常的にサングラスをすることに抵抗がない』

 

 こうした日本語の持つ言語的特性により、『新型コロナの感染拡大期は、マスクに抵抗がない日本は、感染症対策の面で有利だった。さらにいえば、表情筋を動かさずに喋れる日本語は、飛沫が飛びにくいという点でもメリットがあった』という。

 

 なるほどと思いながら記事を読み進めた。そう言われれば「そのとおりかもしれない」と感じさせられる。日本人が意識していない特性とでもいうのであろうか。

 こう考えると「マスクを外せない日本人」の行動特性は、かなり根深いものと考えさせられてしまう。

 しかし、今はコロナによる3年余りの様々な停滞を回復させていく大切な時期である。マスクを外せないという意識が、日本経済の「回復」の足を引っ張っていくことにつながらないことを願う。