ファンディの日々雑感。

日々の生活の中で感じたことを諸々書き綴っています!!

久しぶりに『永遠のゼロ』を見て、今の政治を改めて想う‥‥

 先日、無性に映画が見たくなり、映画配信サイトをあれこれ見ていたら、プライムビデオで『永遠のゼロ』を無料配信していた。百田尚樹原作、岡田准一主演の映画。今から10年ほど前の作品で、当時劇場で涙腺崩壊状態の中、見続けた記憶が鮮明に残っている。日本アカデミー8部門受賞のあまりにも有名な名作。エンディングで流れたサザンの音楽も最高だった。

 以来、改めてこの映画を見直すということがないままに、今に至っていたのだが、ふともう一度見てみようという気になり、暮れの押し迫った中、今年最後の映画だろうなと思いつつ見始めた。 

 やはり記憶が鮮明に残っている。先の展開がわかっているだけに、登場人物の今この時の心情が手に取るように理解できる。脇役の役者たちの渾身の演技が素晴らしい。田中泯橋爪功夏八木勲のベテラン組はさすがと感じさせられる。今は亡き三浦春馬、そして井上真央風吹ジュン吹石一恵らもそれぞれ持ち味を出している。

 案の定、見始めてまもなく目頭が熱くなり、展開がわかるだけに余計に切なさが増し、やりきれなさの中で涙が溢れだす。

 この映画に対し、戦争美化というような評もあると聞くが、どこをどう解釈すればそんな見方ができるのだろうと思ってしまう。家族を想う心、国を想う心、仲間を想う心、そんな中で自らの心の葛藤を見事に描き出していると感じる。そこにあるのは、「誠実さ」であり、その根底に「愛」があるように感じる。国家としては進む道を誤ってしまった。しかし、この時代を生きた人の多くが、誠実さの中で懸命に生きていたことを思う。

 映画を見終わった後、ふと今のこの国の現状を思った。12月に入って、連日、自民党政治資金パーティーに関する報道が行われている。政権の座にある国会議員が、政治資金確保のためにパーティーという名の営業活動を行い、利益を上げ、正当な手続きを踏まず、自分の懐に入れているという現実。ザル法と言われる政治資金規正法さえも遵守せず、私腹をこやそうとする腹黒さ。映画の中で感じた、誠実さなど微塵も感じることができない。あるのは利己愛のみであろう。

 大戦の中で、家族や国を想いつつ、特攻として命を落としていった戦士たち。彼らが、自らの命と引き換えに、未来に託した今の国の政治の有り様を見てどう思うのだろうか。

 法を犯せば罰せられるのは、世の中の常識である。金額の多少ではない。とことん政治の世界に蔓延る膿を出し切ってほしいと願う。

 永遠のゼロという映画を見て、つくづくそう思った。